『ブルーピリオド』では大きくとってもインパクトのある絵を持ち込んで自己紹介した藝大生が登場します。
貧乏学生でありながら、お酒、タバコをたしなみ、柄の悪い学生なのに、なぜか憎めないキャラの男子学生。
でっかいことが好きで、絵を描くときも大きなキャンバスに描いていた。八虎と88コンビ(八つながりだから)と言って絡んでいっていた八雲。
八雲のことを八虎は、「龍二とは違うタイプのナルシストだ」と感じていました。
※ナルシストとは、簡単にいうと、「自己愛が強い人」のことで、「自己評価が高すぎる人」のことです。八雲の場合は、でっけーことをしたい。俺は最強だ!と思い込んでいることでナルシストなのだと言えますね。
今回は、こんな「俺は最強だ!」と思い込んでいるナルシストな八雲にスポットをあてて、彼の名言について解説していきます。
目次
ブルーピリオド・村井八雲の名言!
ブルーピリオド8巻本日発売です!
— 山口つばさ (@28_3) September 23, 2020
紙版・電子版・特装版(ミニ画集つき)同時発売です、よろしくお願いします〜 pic.twitter.com/BiUb5DvEHy
八雲は「八虎が渋谷についての考えがまとまらないときに、現代アートの美術をいち早く取り入れたのは渋谷だったことを知識として教えてくれた」頼れる存在。
最初の自己紹介のときに、八虎がへらへらしていたことを指摘した八雲。
その「へらへらしていたよな」という指摘を受けて、八虎は八雲は苦手なタイプだと思いこんでしまった。
でも、八雲と接していくうちに、実は八雲は八虎の絵の理解者であることがだんだんわかってきます。
そんな八虎が苦手だなと思った村井八雲の名言はこちら
・「俺は常に最強を更新し続ける」
・「渋谷でアートっつったらセゾン文化だろ」
・「苦手克服より得意を伸ばせばいい」
では、これらの名言がどのような場面、シーンで言われているのかを丁寧にみていきましょう。
名場面・名シーン考察とモデルは誰なのかについて
村井八雲はぱっと見た感じでは、柄のあまり良くないお兄さんに見えてしまう。お酒大好き、たばこも吸うという点を除いて、貧乏学生なのも除いて、顔だけに注目してみると、なかなかの男前さん。黒髪でかっこいい。口を開かなければ、ハンサムな藝大生なんだけどな。
そうそう、この黒髪でかっこいい八雲には、実はモデルになる方がいらっしゃるんですよ。
モデルは、八雲の絵を寄稿されている川田龍さん。
川田龍さんの写真を拝見しましたが、なかなかの二枚目さんです。
川田龍さん自身が東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了されていますね。
お写真を拝見すると、たしかに八雲のモデルは川田龍さんですね。雰囲気が八雲だもん!
あっ、逆だわね。八雲が川田龍さんのような雰囲気ですね。
「ブルーピリオド」で村井八雲の作品を寄稿してくださっている川田龍さんの個展今日からやっております。本物を見れる貴重な機会なので興味のある方はぜひよろしくお願いします。 https://t.co/iP48FDhsLz
— 山口つばさ (@28_3) September 26, 2020
八雲が川田龍さんがモデルである根拠は、『ブルーピリオド』の作者である山口つばささんがそうおっしゃってましたから。
誤解のないようにツイートしておくと山口さん曰く、ブルーピリオドの登場人物は複数の人のキメラでできているそうで、村井八雲のモデルが川田龍というのは「半分はずれてて半分当たってる」そう。
— 川田龍 (@_Ryokawada) March 27, 2020
どうやら、半分モデルってこと?うーむ・・・(・~・?)
八雲と川田龍さんを見比べると、雰囲気がそっくりなんだけどねぇ。
では、八雲もモデルが誰なのかわかったところで、村井八雲の名場面、名シーンを解説していきます!
俺は常に最強を更新し続ける
八雲って本当に自分のことを最強って思ってるんですね。でも、ある意味、自分が最強だって思って、さらに貪欲に最強を追い求めるガッツさがあってかっこよかったりしますよね。
八雲は自己紹介のときに、個展で出品した作品を持ち込んだ。
大学に入学する前から、八雲自身は自分の身近な人とかモチーフを名画の登場人物に見立てたシリーズを描いてきた。
自己紹介のときにもってきた作品は、友人のモデルをフィリップ・ド・シャンパーニュの「屍衣の上に横たわる死せるキリスト」に見立てて描いた作品だった。
自己紹介した時の作品は自分の中でも最強の出来だと言っていた。
教授からは、「最強の物ができたならもう大学来なくていいんじゃない?」と言われたときに、その回答が「俺は常に最強を更新し続けるんで」だった。八雲、教授に対してスゴイことを言うじゃない。なんか尊敬してしまうわ。
八虎は、八雲が教授の質問に対しての答えを聞いて、「強えー・・・」って絶句していましたからね。
八虎は八雲のように肝は据わっていないんだよねぇ。八雲のそのどっしりとした態度を少し八虎に分けてあげてほしいわ。
渋谷でアートっつったらセゾン文化だろ
八虎は「東京の課題」で渋谷をテーマにして作品作りをしようと考えていた。でも、どのように渋谷を表現したらいいか悩んでいた。
そんなときに、はっちゃん(鉢呂健二)に渋谷のことについて相談しようとしていた八虎。
が、なぜかはっちゃんと八虎、八雲で魚釣りをしながら話すことになってしまったのだった。
(八虎は不本意ながらはっちゃんと八雲と一緒に釣りをすることになる。)
はっちゃんは新潟出身で渋谷のことはあまり知らない様子。参考になる意見は聞けなかった。
しかし、意外だったのは八雲。渋谷についての知識がすごかった。
さすが浪人生活中にずっと本を読んでいただけのことはある!←褒めてます。ディスってません。念のため。
渋谷について八虎とはっちゃんが語っているときに、八雲に質問を向けられて語りだした。
西部百貨店が初めて美術館入りの百貨店ってのも知ってるか?と八虎に質問をしてくる八雲。
現代アートの美術をいち早く取り入れたのが西武だったと説明した。
西武は渋谷から「日本のアート文化」を育てようとしていた。
しかし結局は、買収されまくってしまったと説明をしてくれた。
「会長の堤清二がやったこと賛否両論あるみてえだけど、良くも悪くもセゾン文化がなけりゃ日本のいろんなカルチャーは今と全然違っただろうな」
「堤さんクソボンボンだからカルチャーとかアートってモンが生活の豊かさとちゃーんと繋がってんだよ」
ブルーピリオドの八雲のセリフより
渋谷の文化についての説明をしてくれた八雲に対して、八虎は八雲の自信がある態度は、自信になるまでの積み重ねがあることを理解した。
最初は、八雲のことをバカだと思っていた八虎だったけど、大事な知識を教えてくれてありがとうとお礼を言った。
八雲が語った渋谷についても、八雲の色んな知識が繋がって渋谷の知識を作っていることを知った八虎。
東京の景色の課題はなんとか作成することができた八虎。
八雲のセゾン文化の話を聞いたおかげだね。
八虎にとって、八雲の存在はアドバイザー的なものになっていくのかもしれませんね。
苦手克服より得意を伸ばせばいい
フレスコ画とモザイク画の実習をやっている時の八雲のセリフがいい!八雲なかなかいいこと言うじゃん!ってなったのがこのセリフだった。
今まで習ってきた描き方とは異なり、端から描いていくことになるので、すごく大変でむずかしい。
八雲は「むずすぎてたのし~~ルネサンス期やっべ~~」って言いつつ、楽しみながら取り組んでいました。
むずかしい課題に対して、それを楽しいって思って取り組める八雲ってすごいよね。
結構みんな苦戦してんな。
みんな自分の得意分野でやってきてるからこういう共通課題やると得意不得意がはっきりでんのな
デッサン力とか絵の具に振り回されてるやつとか
ブルーピリオドの八雲のセリフより
高橋世田介の作品を見た八雲が彼は上手いなと感想を言った。
八雲の「世田介は上手いな」と言った称賛に対して、八虎は「昔から上手いんすよ」と言って、本当は世田介のことを褒めたくないのに、褒めてしまう八虎。
そのときに、八雲が「まー、自分の作品じゃ苦手克服より得意を伸ばせばいいんだから。こーゆー差が出んのは当然ちゃ当然だけどさ」と言うの。
八虎はなんでもできる必要はないってわかってるけど、やっぱり世田介のなんでも上手にできることが羨ましくて仕方ない。
八雲は、八虎が羨ましいという言葉に対して、そーかねぇ・・・とつぶやいていた。
たしかにね。八雲の「そーかねぇ」とつぶやいた言葉もわかる気がする。
「人には得意不得意があるんだから、八虎はそんなに世田介のことを羨ましがらなくてもいいじゃん」って八雲は八虎に言ってあげたかったんじゃないかな。
八雲が八虎に「渋谷の文化」について説明するシーンは『ブルーピリオド』8巻に掲載されていますよ。
まとめ
ブルーピリオド・八雲の名言は、・俺は常に最強を更新し続ける
・渋谷でアートっつったらセゾン文化だろ
・苦手克服より得意を伸ばせばいい
名場面・名シーンの考察と絵を描くことについては、前述したとおりです。
八雲の名言の中で、私が一番感動したのはこの名言を言うシーンです。
「苦手克服より得意を伸ばせばいい」
このセリフ、まさしくそうだよねって思います。
私たちってね、小学校や中学校、高校で苦手な科目はより良い点数がとれるようにがんばって勉強するように言われてきましたよね。
苦手を克服しよう!って雰囲気がありましたよね。実際、克服できるようにがんばって勉強してみるけど、苦手なものは嫌いだからなかなか勉強もはかどらず・・・
でもね、社会人になるとさ、自分の得意なことを強みとしてやっていくことでチームとして働いて成果を上げることができる。
苦手なことはそれが得意な人に担当してもらって、自分は自分が得意なことを担当する。
そうしていくと得意なことは好きなことなので、どんどんそのスキルが上がっていく。
だから、八雲が言ったように、「苦手克服より得意を伸ばせばいい」ということ。
たしかにそうだよな、ってその場面を読んだときに大きくうなづいてしまったもんね。
『ブルーピリオド』って、美術に関する物語だけではなくて、人生における大事なことを登場人物がつぶやいてくれます。仕事をしていく上でのヒンになるようなことも書かれていますよ。全巻セットで購入して大正解!と思えるマンガです。読みだしたらあなたもハマりますよ(^_-)-☆
ひきこまれます。オススメのマンガです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、次回のブログでお会いしましょう。(^^)/~~~