『ブルーピリオド』では藝大ファミリーで育った才能を持った女の子が登場します。
そう、桑名マキ。
一見、明るくて元気で可愛い女の子。絵の才能にも恵まれている。
体型が細いのにも関わらず、大食いなのが意外な点。
そんな才能あふれる桑名マキだけど、藝大入試で現役主席合格した姉の存在に苦しんでいる。
桑名マキはいつも姉と比較されていたので、そのことがプレッシャーになっていた模様。
今回は、ブルーピリオドの絵の才能があり、明るく元気で大食いの桑名マキにスポットをあてて、桑名マキの名言について解説していきます。
目次
ブルーピリオド・桑名マキの名言!
山口つばささんの「ブルーピリオド」に出てくる芸大受験生の桑名マキちゃんがかわいい。マイペースで掴みどころがないあたりもアーティストっぽい。画塾には制服&黒タイツで来るんだけど、作者さんがあまり脚を黒く描かないのがタイツフェチ的には惜しい。 pic.twitter.com/acXmEcBie1
— ぷりんす。@タイツワールド (@tightsworld) December 16, 2019
桑名マキは芸術一家で育ったサラブレット女子。
絵の才能に恵まれているので、予備校時代に桑名マキの絵はどの作品においても、パッと注目を集めていました。
石膏のデッサンにしても然り、イメージ作品の制作地でも然り。
他の生徒とは比較にならないほどに、桑名マキの作品は目を引く作品だったのです。
そんなずば抜けた絵の才能を持っている桑名マキの名言はこちら
・「落ち込んでる人見てるとアタシはまだ大丈夫って思えるじゃん」
・「描いているとき、言われたことが足を引っ張ってくる」
・「自分に無理のない選択すんのって案外むずいじゃん」
では、これらの名言がどのような場面、シーンで言われているのかを順番に丁寧にみていきますね。
名場面・名シーン考察と藝大を落ちた理由について
桑名マキは本当は姉よりも絵を描くセンスを持っている。でも、桑名マキ自身は、姉の絵の才能がすごすぎて、姉を超えることができないと思いこんでいる。
姉の絵の才能にがんじがらめにされているような印象を受けてしまう。
そんな桑名マキに対して、八虎が言った一言で元気を取り戻していく姿が印象的です。
では、それぞれの名場面、名シーンを解説していきますね。
落ち込んでる人見てるとアタシはまだ大丈夫って思えるじゃん
このセリフを桑名マキが言ったときはさすがに引いた。でも、美術大学を受験しようとして一生懸命に予備校で自分の技術を高めようとして、必死で受験勉強をしている生徒たち。
必死でがんばるけど、自分の才能が思うように伸びずに行き詰まる人もいる。脱落していく人もいる。
桑名マキが外の景色が見える踊り場にいたら、八虎が「よくココにいんの?」と聞いてきた。
桑名マキは自分が落ち込みそうになったときに、ココにきては自分のテンションを保っていたようだ。
外を見ると、浪人生が落ち込んでグスングスン泣いていた。
桑名マキは落ち込んでいる人を見ることで、自分自身のテンションを保っていたのだ。
「自分はまだ大丈夫だ!」って思えるから、桑名マキはココで落ち込んでいる人を見ていたらしい。
八虎も桑名マキの「落ち込んでる人見てるとアタシはまだ大丈夫って思えるじゃん」のセリフを聞いて、食べかけのお菓子(というかko-calorie)をポロッと落としかけていたもんね。
さすがに性格悪すぎるなと自覚した桑名マキは自分で、「性格わっるー」って苦笑いしていたけど。
でもね、桑名マキが言ったセリフはすごくよくわかる。
自分がかなり限界ギリギリでがんばっているときに、もうだめだーって思う瞬間ってみんなあると思う。
そんなときに、他の誰かが脱落していく。
脱落していくのはがんばりすぎたからだよね、と思いつつも、競争相手が一人減った、という変な気持ちになったりもする。
その変な気持ちは通常、自分の内側にとどめているけれど、桑名マキの場合は素直に言っただけのこと。
ある意味、桑名マキのほうがみんなよりも自分の気持ちを素直に言える子なんだと思う。
描いているとき、言われたことが足を引っ張ってくる
これは、きっと桑名マキが姉の作品と比較されてなにか言われたことで相当ショックを受けた出来事が合ったのだろうと推察する。「あの人さえいなければもっと楽しく描けたのにって思うこと・・・」とさみしげに言う桑名マキ。
姉が藝大を主席合格したことを知ったときに、桑名マキは「余計なことすんじゃね-」って内心、かなりご立腹だったもんね。
でも、内心はご立腹でも、外面的には「私は全然、姉が藝大主席合格したことなんて気にもしていません」っていう涼しい顔をしていたよね。
(内心で思っていることと、外面でそれを全く感じさせないようにしている桑名マキがすごく可哀想になってくる。
そんなにまでして自分をだまさなくてもいいんだよ-って言ってあげたくなる。だって、苦しいでしょう。そんんなの絶対苦しいでしょう。)
八虎はそんな桑名マキに対して、
「俺、桑名さんの絵がお姉さんの絵に似てるなんて思ったことないけど」
「だって、あのとき、いや、意外過ぎて何も言わなかっただけで、桑名さんの絵ってもっと奥行きあるし、なんかもっと透明感、あるし」
ブルーピリオドの八虎のセリフより
桑名マキはこうやって八虎に愚痴ったことでちょっと元気が出たらしい。
そうそう、人に自分の気持ちを愚痴ることって意外と大事よ。不思議なほど、楽になる。愚痴ることができる友達を持つの、大事なことよ。
自分に無理のない選択すんのって案外むずいじゃん
桑名マキは藝大の一次試験は合格したものの、二次試験は落ちてしまった。予備校の作品展のときに1位を取ってしまうと、その年の藝大の受験には合格しないというジンクス通りになってしまったのだった。
(才能があってもダメなんだよね。)
ただ桑名マキはなぜ藝大の二次試験が受からなかったのか、理由はわかっていた。
それは、桑名マキ自身が二次試験で描いた絵は、以前桑名マキが描いた絵の焼き直しの絵だったから。
焼き直しの絵は藝大の受験で通用しないことはわかりきっていたはずなのに、受験という大きな大きなプレッシャーに桑名マキは耐えきれず、焼き直しの絵を描いてしまったのだった。
こういう経緯もある上で、次のように語った。
・ちょっと良くなった。
・美大行くのを辞めてお絵かき教室でバイトすることにしたらしい
「絵が得意でもずっとやっててもすごく好きでも戦うことがツラいならそれを選ばなくてもいいんだよね。」
ブルーピリオドの桑名マキのセリフより
そうだね。
選ばないという選択もある。
自分が苦しくなるのなら、苦しくなることを選ばないということは大事。
藝大に入ることが大事なのではなく、自分自身が「今何を大事にしたいのか」を考えて、その「大事にしたいこと」を選ぶことが大事なのだ。
選ぶってこと、本当に大事だね。
「落ち込んでる人見てるとアタシはまだ大丈夫って思えるじゃん」の場面は『ブルーピリオド』4巻に掲載されていますよ。
>>>ブルーピリオド 4 / 山口つばさ
まとめ
ブルーピリオド・世田介の名言は、・「落ち込んでる人見てるとアタシはまだ大丈夫って思えるじゃん」
・「描いているとき、言われたことが足を引っ張ってくる」
・「自分に無理のない選択すんのって案外むずいじゃん」
名場面・名シーン考察と藝大を落ちた理由については、前述したとおりです。
桑名マキの名言の中で、私が一番心に刺さったのはこの名言を言うシーンです。
「自分に無理のない選択すんのって案外むずいじゃん」
桑名マキ自身、姉が藝大に現役で主席合格しているため、相当なプレッシャーを受けていた。
結局は藝大には二次試験で落ちてしまったため、浪人生となっている。
もう一年、予備校の油絵科で勉強をすることにしていたが、ある時、彫刻科の方で勉強したいと言い出し、両親にお願いをする。
これも桑名マキの摂食障害で入院した友達が、美大いくのやめてお絵かき教室でバイトするという選択をしたことも影響していると思われる。
自分に無理のない選択をすることって本当にむつかしい。
特に桑名マキのように、周りからあなたは藝大の油絵科に進むんですよね!って決めつけられていればなおさら。
楽しいならいいけれど、それをするために戦うことが辛くなるんだったら、戦う道からは逸れて、違う方法でおこなうことも全然アリ。
辛くなってしんどくなって身体壊してしまうくらいなら、違う方法でやっていくほうが断然イイ!
なんか私自身においても、「無理のない選択をすることも大事なんだよ」と教えてもらっているような感覚になった。
『ブルーピリオド』って、美術に関する物語だけではなくて、生きていく上での大事な気づきを与えてくれているマンガです。何度も繰り返し読みたくなるマンガに出合えてよかった~。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、次回のブログでお会いしましょう。(^^)/~~~