『ブルーピリオド』は矢虎は成績優秀だけど、決して真面目な生徒ではない。不良たちと一緒につるんで過ごしている高校2年生。
八虎はなんでも人並み以上にはできるし、誰とでも普通に接することができる優秀な男の子。
一見、何も不満が内容に見えるが、実際は八虎はこれがしたい!と思えるものが無く、毎日虚無感を抱えて生活していた。
しかし、矢虎は一枚の絵と出合ったことがきっかけで、絵を描く楽しさ・喜びを知ることになります。
今回は、八虎が絵を描くきっかけになった出来事について紹介していきますね。
物事を始める時って、意外と誰かが影響していたりするから、人や物との出会いって大事ですよね~。
目次
ブルーピリオド・八虎が絵を描くきっかけとは?
特に何も打ち込めるものがなく、虚無感に覆われながら過ごしていた矢口八虎。周りから見たら、八虎は成績優秀で、ちょっとヤンキーだけど楽しく学校生活を送っているようにみえる。
周りから見た八虎は十分に今の生活を楽しんでいるように見えました。
でも、実際は八虎自身、特に打ち込めるものもない状態。
テストで良い点数が取れたり、授業中にきちんと受け答えできるのは日頃、きちんと勉強する時間を確保しているから。
八虎自身、ヤンキー仲間と一緒に遊んでオールをしたりするけれど、平日はちゃんと家に帰って学習する時間をきちんととって机に向かっていた。
そんな八虎が絵を描くことに目覚めるきっかけとなった出来事があります。
私は八虎が絵を描くことになったきっかけの出来事は次の二つだと考えています。
では、早速、その二つの出来事について解説していきますね。
きっかけは森先輩の大きな絵
『ブルーピリオド』最新刊を読む前に前巻を読み返したけど、やっぱ涙腺に来るなコレ…。
— “陰気”の二酸化マンガ(否定能力『UNNATURAL-不自然-』) (@manga_dioxide) April 5, 2020
今更だけど八虎合格回のジャケ絵がクソイケメンな森先輩なの最高すぎる…。 pic.twitter.com/VLEPYg44gI
八虎が絵を描くきっかけとなったのは、森先輩が描いていた「祈り」をテーマとした女性の絵を見たことがきっかけとなっている。
とっても大きなキャンバスに描かれていたの。
それを見た矢虎はその絵に魅了されてしまったのです。
うわぁ、すげぇってなった後に、「左の人が緑色で妖怪じゃん。緑人間だ」って不思議な感覚になっていた八虎。
大きなキャンパスに描かれた絵に圧倒されて「すごい!」って感動している八虎。
でも、そのすごい絵をじっと見ていると、女性の顔の色が緑色で、緑人間だって反応し、そのあと、なんで緑色を塗ってるんだろう?という疑問を持った。
(ここが八虎のすごいとこだよね。「なぜ、緑色を塗ってるんだろう?」と不思議に思うところが素晴らしいって思った。「なぜ」って思える感性がいいよね。)
そのあと、右の人の絵を見て、右の人も下地は緑色だったことに気づく八虎。すごい観察眼だよね。
美術室に忘れ物をした八虎
家で八虎が勉強をしている。八虎自身にとって、テストの点を増やすことも人付き合いを円滑にするのもノルマをクリアする楽しさに近いことに気づいていた。
要はゲームでノルマをクリアする楽しさのようなもの。
クリアするためのコスト(勉強すること)は人より多くかけているから、それが結果となって現れているだけ。
そんなことを考えていたら、勉強に集中できなくて、タバコを吸おうとした。
でも、タバコがポッケに無いことに気づく。
6限の美術のときに置き忘れたことに気づき、学校へタバコを取りに行く八虎。
矢虎は美術室で大きなキャンバスに描かれた二人の羽の生えた女性たちの絵を見てすごいと感動をしていた。
そう、美術の時間にたばこを美術室に忘れるという行為がもたらした、きっかけだった。
たばこを取りに学校の美術室に行ったからこそ、大きなキャンパスに描かれた絵と出合えたのだもの。
理由は佐伯先生からの高講評
美術部の手伝い要員として鮎川龍二に駆り出された八虎。佐伯先生と一緒に二年生の選択美術の作品の片付けをすることになった。
片付けをしている最中に、佐伯先生から、美術の課題について講評をされた。
「1時間だけでしたけど意欲的で良い絵になりましたね」
「混色した青がすごく綺麗です」
「青に深みを出すために同じ寒色系の緑や紫を使ったんですね」
(中略)
「矢口さんは色環を知らなかった。なのになぜ青を爽やかに見せる色を選べたか。
それはこの絵で表現したかったことが明確にあったから。だから感覚的に選ぶことができた。
素晴らしい感性だと思いますよ」
ブルーピリオドの佐伯先生のセリフより
上記のように佐伯先生に高評価された八虎。
八虎は絵を褒められたことが嬉しかった。
美術の授業での八虎
選択科目で美術をとっている八虎。美術の課題で、「私の好きな風景」を2時間で描いてくださいと言われる。
矢虎は機転が利くので、美術の担当の先生の好みの絵を描いておけば無難だなと考える。
「おばあちゃん先生が好きそうな山とか海とか描くのが無難かな」とつぶやいていたもんね。
相手が望むこと(今回なら佐伯先生が望む絵ね)をきちんと考えることができるので、相手が欲している絵を描こうとする八虎だった。
最初はおばあちゃん先生が喜ぶ絵を描こうと思っていた八虎。
でも、八虎はおばあちゃん先生である佐伯先生と美術室で会話したことによって「私の好きな風景」の絵に対する取り組み方が変わっていったの。
八虎の好きな景色とは?
ブルーピリオド1巻
— あや屋 (@AyayanoAnime) April 19, 2021
趣味のない八虎、早朝の渋谷に感じた青色の景色を描くことで藝大目指していくことに。森先輩「りんごでもうさぎの体も青くていいんだよ」は絵を描く楽しさ、ワクワクを思い出させてくれる名言ですね!
あと、今年アニメ化するとは知らなかったけど、めっちゃ楽しみ!#ブルーピリオド pic.twitter.com/XTcg9EGp01
美術室に忘れ物のタバコを取りに行った矢虎は、美術部顧問の佐伯先生に、「君にとって価値のあるのを知りたいんです。矢口さんがみんなに言いたい景色教えてください」と言われた。
意味がわかんねーとなっている八虎だけど、八虎が美術室を出ていこうとしている後ろ姿に向かって、佐伯先生は「美術は面白いですよ。自分に素直な人ほど強い。文字じゃない言語だから」と言いました。
この言葉が八虎の頭の浮かんで、オール明けの八虎は「早朝の渋谷ってさ、なんかいいよな」と発してしまう。
その後は自分で言った言葉を不良仲間にポエマーキャラとかやばいだろと言われてしまい、友達が言ったように取り繕っていた八虎。
ぽろりとこぼした八虎の本心。
八虎の好きな景色は「早朝の渋谷」だったのだ。
だから、「私の好きな風景」には「早朝の渋谷が青い」という絵を描いた。時間切れとなってしまい、悔しがっていたのが印象的である。
八虎が描いた「私の好きな風景」は青い絵
八虎が描いたのは青い、青い絵。ユカこと鮎川龍二が八虎の絵を見て、「これ綺麗だね」と褒めます。
何色か使って色を使っているから、真っ青じゃない青が表現されていた。
その「青い絵」を褒めた龍二が、絵の作者が八虎だと知った途端に、「褒めなきゃよかった」って言ったのも印象的。
龍二にとって、八虎の描いた絵が「綺麗だ」と直感的に感じたのだろう。ただいつも喧嘩をする間柄なので、「褒めなきゃよかった」というのは龍二の照れ隠しなんだろうな。
不良仲間たちも八虎の絵を見て、
「もしかして早朝か?」と恋ちゃん。
「オール明けのラーメ食う時間らへんか」←早朝ってことね
「確かにこんな雰囲気あるわ」
「八虎にはこんなふーに見えてんだ」
と口々に言った。
仲間たちの言葉を聞いていた八虎は、その時生まれて初めてちゃんと人と会話できた気がして、嬉し泣きをしてしまった。
八虎の「青い絵」を見て、仲間たちが八虎が描こうとしていた風景について、ちゃんと正しく受け止めてくれたから。
八虎の思いが、仲間にちゃんと伝わっているとわかったから。だから、八虎は泣いてしまったんだよね。
普段は相手が喜ぶ言葉を探して、その言葉を話している八虎にとっては、仲間が素直な気持ちを言ってくれたことで、ちゃんと人と会話できたという実感を得られたから。
佐伯先生が八虎の「青い絵」について評価が高かったのは、「絵で表現したかったことが明確にあったから」。
ちゃんと表現したいことが明確だったため、感覚的に綺麗な青色になるような色を選ぶことができた。
素晴らしい感性だと思いますよと言われ、嬉しくなったことも絵を描くきっかけとしては大きな要因だったのだろう。
まとめ
『ブルーピリオド』八虎が絵を描くきっかけとは、・森先輩の大きな絵
・佐伯先生の高評価
の二つが挙げられる。
森先輩の絵をじっと見て、女性の顔の色が緑色で、緑人間だって反応し、そのあと、なんで緑色を塗ってるんだろう?という疑問を持って、その原因を探ろうとする探求心が素晴らしい。
また、無理やり龍二に美術部の手伝い要員として駆り出された時に、佐伯先生と一緒に片づけをしているときに言われた「絵の評価」も八虎が絵を描こうと思ったきっかけとなっている。
だって、八虎は絵を描くことは時間の無駄だ!と思いつつも、中学の美術のときのスケッチブックを取り出して、部屋から見える外の景色を無我夢中で描きだしていたのだ。
こうやって徐々に八虎は絵を描くことに惹かれていったの。
八虎が絵を描くきっかけは、「森先輩の大きな絵」と「八虎の「私の好きな風景」の作品に対する佐伯先生の高評価」。
これらがきっかけとなって、もっと上手く絵が描けるようになりたいということで、八虎は佐伯先生にスケッチブックの絵を持っていき、絵を見てもらってアドバイスを受けるようになっていくのだ。
八虎、八虎が一生懸命打ち込めるものに出合えてよかったね。
これで、虚無感に襲われることはないはずだよ。(^_-)-☆
私も『ブルーピリオド』を読んで、絵を描くことに興味が湧いてきました。ちょこっと描いてみようかしら。
こうやって、何かをやってみようと思えることって大事だな、ということも再認識できたのでよかった。
『ブルーピリオド』、いいマンガですよ。
美術好きさんも、美術苦手さんも、きっとハマるマンガだと思いますよ。←美術が苦手な私がハマったから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、次回のブログでお会いしましょう。(^^)/~~~
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