『ブルーピリオド』では天才的な絵の才能を持った世田介が登場します。
人との関わりが苦手らしく、いつも一人でいます。
そんな人との関わりが苦手な世田介はよくうさぎの絵を描いていました。
世田介に対して八虎は距離感がつかめずにいました。
八虎からみたら、世田介は賢い上に、絵がものすごく上手で天才的な才能を持ったすごいやつ!
でも、世田介自身は、本当の自分がやりたいことは何なのかわからず、苦しんでいました。
また、母親からは余計な期待をかけられていたことも世田介にとっては相当な負担でした。
今回は、ブルーピリオドの天才的な絵の才能の持ち主である高橋世田介(たかはしよたすけ)にスポットをあてて、世田介の名言について解説していきます。
目次
ブルーピリオド・世田介の名言!
今日やっとブルピリ10巻読んだので、久々にセカイくん描いてみた〜💕
— ぎゆ壱 (@giyuichi) July 2, 2021
セカイ君とマキちゃん推してる‼️10月からのアニメ楽しみ〜✨#ブルーピリオド#高橋世田介 pic.twitter.com/I09q3vn5Ey
世田介はかわいい男の子。
愛らしさを持っているけど、人との関わりが苦手で、マンガを読んでいると「その場合はこうしたほうがいいよ」って教えてあげたくなる。
世田介は自分のことをちゃんと受け止めてほしいのに、相手にその思いがきちんと伝わらなくてモヤモヤしてるように見えてしまう。
そんな人との関わりが苦手な世田介の名言はこちら
・「俺にとっては単なる通過点です」
・「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」
・「俺、今はじめて絵がかけてよかったと思った」
では、これらの名言がどのような場面、シーンで言われているのかを丁寧にみていきましょう。
名場面・名シーン考察と母親が苦手な理由について
世田介は本当は絵を描くことが好きだった。というか、絵を描くと母親が上手ねと褒めてくれたから、嬉しかったのだと思われる。
絵を描くことが好きなのに、母親からの理想の絵を押し付けられたことによって、「絵を描く」こと事態が好きなのかどうかさえわからなくなり、機械的に絵を描くようになっていたのかも。
八虎に「うさぎの絵」を見せてほしいと言われ、見せたことによって、本来の絵に対する思いが溢れてきて泣いてしまった世田介。
では、それぞれの名場面、名シーンを解説していきますね。
俺にとっては単なる通過点です
八虎が入学式の後に、よそ見をして歩いていたらお酒を飲んでるおねーさんのワインをコツンと蹴飛ばして、ワインがこぼれてしまった。おねーさんは飲み会のあまりのワインだし、服も汚れてないから弁償はしないくていいと言ってくれた。
かわりに、お昼に一杯付き合ってよと言われ、八虎、世田介とおねーさん(花陰真里亞)の3人でアメ横の中華屋さんに連れて行かれる。
餃子、ラーメン、炒飯を食べる3人。
藝大ライフ楽しみだねとおねーさんに言われ、八虎は「俺は不安のがでかいっすね」と答えていた。
でも、世田介は、「藝大っていっても所詮「学校」ですから、俺にとっては単なる通過点です。特になんの不安も期待もないですね」って答えたの。
ひぇぇぇぇぇ、世田介ってさすが天才肌。
おねーさんは世田介の発言に対して、「なるほどね~。うんうんうん。たしかにたしかに!」ってにこやかに対応して、「大学受験を通過点と捉えるか目標地点と捉えるかは能力の差じゃなくて、思い入れの差なのよね」って話だした。
「通過点はちょっと勿体ないかな。何も失わないし何も得られない。」
「大学でしかできないことできない経験は必ずあるんだよ。」
「大事なのはそこで何を感じて何をやるのかってことじゃないかな」
ブルーピリオドの花陰真里亞のセリフより
世田介が「通過点です」と言ったことに対して、おねーさんはこれから始める藝大での大学生活について大切なことをアドバイスしてくれた。
世田介にとっても、八虎にとっても藝大の大学生活が楽しいものでありますように。
強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!
世田介が母親に向かって、「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」って言った。母親は、世田助が絵しかできないんだから、と言って世田介を強い言葉で怒鳴った。
そして、扉をバン!と強く閉めて出ていった。
あんた自分がどんだけ手間のかかる人間かわかってる?
あたしが全部やったげないとアンタ着るもんなくなるよ
あんた絵しかできないんだから
せめてと思って玄関に絵飾ってあげてるあたしの優しさわかる?
わからんないでしょうね
ブルーピリオドの世田介の母親のセリフより
玄関の絵は母親が好きな絵を飾っているだけ。
母親は世田介のことを思って、世田介の身の回りのことをやっていると思っているが、これは過保護すぎる。
感情をもろに世田介にぶつけていて、その後、反省したように世田介が寝ているところに来て、
「さっきはごめんね。ダメねーお母さんどなっちゃって。お父さんにも怒られちゃった」
と言って謝って、世田介が寝ている布団に頰をつけていた。
世田介の母親は、子どもを自分の都合のいいように扱う、いわゆる「毒親」の典型例にように思われる。
母親が毒親だからこそ、世田介は母親のことが嫌いなんだろう。
世田介は今までは母親の言いなりになっていたけど、ようやく「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」と母親に向かって言えた。
世田介は絵が人より上手に描けたことによって、母親が勝手にいろいろと期待をした。
そして、期待に添えないとがっかりされたという経験を持っている。
絵が上手に描けたことで、世田介は絵を描く方に逃げてしまった。本当は友達を作る努力をしたかもしれないのに、絵に逃げてしまった。
ようやく世田介が母親の手から少しずつ抜け出せるようになってきた。
世田介が世田介のペースでの成長が見て取れたのが嬉しくなった。
世田介、母親に向かって、「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」って言えて本当によかったね。
俺、今はじめて絵がかけてよかったと思った
今はじめて
— Rico 絵垢 (@Rico_rakugaki) July 4, 2021
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八虎が世田介の落としたクロッキー帳を手渡す。
その時、「ちょっと見えちゃって、もうちょっとだけ見せてほしい」と八虎が世田助に頼みます。
世田介は、クロッキー帳を見ることを許可してくれます。
八虎はクロッキー帳のうさぎの絵を見て、褒めます。
「うわめっちゃうめえ!こんなサラッと描いてなんでこんな立体感出るの」
「このうさぎ、めっちゃ世田介くんのこと好きじゃん」
「うさぎって人の足元回るの求愛行動っていうよね」
ブルーピリオドの八虎のセリフより
この八虎の言葉を聞いた世田介は、急に泣き出します。
そして、「ほんとにそう思う?」と聞き返してきました。
「今はじめて絵が描けてよかったと思った」と言って感動をしている世田介。
そう、以前に八虎も経験をしている、「絵を通じて、初めて人と会話できた気がしたこと」を今、世田介自身も経験し、感動していたのだ。
「ありがとう。俺は別に絵を描くのは好きじゃないし、矢口さんはよくわからないところで絡んでくるし苦手だけど」
と前置きした上で、
「俺が感じたものを大事にしてもいいんだって少し思えた」
と言って、世田介は自分の素直な気持ちを言葉にして八虎に伝えていた。
今までの世田介だったら、ぶっきらぼうにそっけなく短い会話をしただけで終わっていたであろうに。
世田介は人とコミュニケーションとるのが苦手だけど、絵を通じて、絵を見た相手とコミュニケーションできたことが嬉しかったんだろうね。
世田介が八虎にクロッキー帳をみせたことによって泣くシーンは『ブルーピリオド』10巻に掲載されていますよ。
ブルーピリオド(10) (アフタヌーンKC) [ 山口 つばさ ]
まとめ
ブルーピリオド・世田介の名言は、・「俺にとっては単なる通過点です」
・「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」
・「俺、今はじめて絵がかけてよかったと思った」
名場面・名シーンの考察と絵を描くことについては、前述したとおりです。
世田介の名言の中で、私が一番感動したのはこの名言を言うシーンです。
「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」
世田介は小さい頃から母親に「あなたは絵を描く以外は何もできない子なんだ」という刷り込みをされて育ってきた。
多分、世田介は人とのコミュニケーションは苦手だけれど、母親の過保護ぶりが加熱していなければ、それなりになんとか努力して友達つくりもできていたように思う。
実際、うさぎのTシャツを提供してくれた同級生とは会話が盛り上がっていたし。
毒親である母親に対してようやく自分の意見を言えた世田介。
「強い言葉で俺のこと操ろうとすんなよ!」と言えたことによって、少しずつ子どもから青年へと成長できていく姿が微笑ましい。
自分の意見を持つことの意味を世田介も少しずつ学んでいるようなので、ホッとした。
『ブルーピリオド』って、美術に関する物語だけではなくて、親子問題についても投げかけて考える機会を与えてくれている。なかなかいいマンガだと思う。ハマってよかった。(^_-)-☆
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、次回のブログでお会いしましょう。(^^)/~~~