映画『風の谷のナウシカ』は、徳間書店から1978年5月26日に創刊された月刊アニメ雑誌「アニメージュ」に掲載されていた漫画が原作となっています。
ちなみに「アニメージュ」は現存するアニメ雑誌では最古参にあたります。
宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」は1982年2月号から連載されています。1994年まで連載されていました。
そんな長期連載をされていた漫画版「風の谷のナウシカ」と、映画版『風の谷のナウシカ』で感動的なシーンであるナウシカのラストシーンについて、考察もまじえつつ、解説していきます。
風の谷のナウシカのラストはどうなる?
映画版『風の谷のナウシカ』のラストは、王蟲の大群が風の谷にいるクシャナ軍に向かって押し寄せてきます。
なぜ、王蟲の大群が押し寄せてくるのか?
それは、土鬼(ドルク)が王蟲の子どもを虐待して「おとり」として利用したから。
このように、王蟲の子どもに何本も杭を突き刺して、気球のような飛行船にぶらさげていたんです。
王蟲の子どもをこのように残酷な目に合わせたことによって、王蟲たちの怒りは頂点を極め、大群となって押し寄せたというわけ。
ナウシカは、王蟲の大群の怒りを鎮めるために、子どもの王蟲を助けます。
ナウシカは丸腰の状態で、土鬼(ドルク)の兵士が操縦している気球のような飛行船に飛び乗ります。
兵士の銃で腕と足に弾をあてられつつも、王蟲の子どもを助けるための行動でした。
その後、ナウシカは土鬼(ドルク)の兵士に「私と王蟲の子どもを王蟲の大群の進んでいる前方まで運んで下ろすように」と指示というか、命令をします。
機関銃を持っているナウシカは決死に覚悟で兵士たちに命令をしたのです。
兵士たちもナウシカの指示に渋々従い(従わないと銃で打たれてしまうからね)、王蟲の大群の前方にナウシカと王蟲の子どもを運び、下ろして立ち去りました。
ナウシカが死んでしまった理由とは?
怒り心頭の王蟲の大群は、進行方向の前方にナウシカと王蟲の子どもがいるけれども、それらを跳ね飛ばして突進していきました。王蟲の大群に跳ね飛ばされたナウシカは宙を舞い、死んでしまいます。
そりゃ、あの王蟲の大群に跳ね飛ばされたらひとたまりもないよね。
映画を観る限り、ナウシカは死んだように受け取れます。
でも、完全に死んだというのではなく、おばばの近くにいる子どもたちが「姫ねえが動かなくなった」と言っていることで死んだと判断したにすぎません。
よって、「死んだ」ということではなく、もっと丁寧に解説すると「死んではいないものの、瀕死の状態で生死を彷徨っている状態」だったのではないかと推察できます。
瀕死の状態であったため、死んでしまったという認識になっているのではないかと思われます。
ナウシカが生き返ることができたのはなぜ?
ナウシカが王蟲の大群に跳ね飛ばされて宙を舞ったあとに、地上に落ちてきます。ほぼ瀕死の状態のナウシカ。動くことはありません。
そのナウシカを、子ども王蟲がカチャカチャと前足を鳴らしていると、親の王蟲の黄色い触手が伸びてきて、ナウシカの傷のところをさわります。
まるで子どもの王蟲がナウシカに対して「どうして動かなくなっちゃったの。どうしちゃったの?」と心配しているように見受けられます。
王蟲の黄色い触手には秘密の力が備わっています。
秘密の力とは、生命を復活させる力、そう、治癒する力があるのです。
だから、ナウシカの体を複数の王蟲の触手で持ち上げ、体の傷を治癒してくれました。
あの相当数の王蟲たちの大群の触手は、相当な治癒力だったことでしょう。
ナウシカは王蟲の黄色い触手の治癒力によって、死の世界から逃れ、生き返ることができたのです。
おばば様やユパたちが言っていた有名な一節である
「その者、青き衣服をまといて、金色の野に降り立つべし」
の言い伝えのように、ナウシカが青い衣服を着て、王蟲たちの黄色いたくさんの触手が金色の野のように見えたところに立っていたのでした。
有名な一節のような状況をナウシカが実現させた瞬間でした。
子どもの王蟲との信頼関係
ナウシカは子どもの王蟲を助けるために、丸腰で土鬼(ドルク)の兵士が運転をしている気球のような飛行船に飛び乗った。
その子どもの王蟲が地上に降り立ったあと、水のところに入ろうとしているのを懸命に止めるナウシカがいた。
王蟲の子どもが川の水に入ると、大変なことになるので必死に止めていた。
ナウシカはピンクの服を着ていたが、王蟲の子どもが動くと杭を打たれた傷口から青い体液が出て、ピンクの服はだんだん青く染まっていったのだ。
川の水は腐海の森の水とは違って汚染されている水なので、王蟲の子どもは虐待されて体に杭を打ち込まれており、体液が流れ出しているほどなので、水に入ったら激痛で死んでしまうかもしれないのだ。
王蟲の子どもが水に入ろうとするのを、ナウシカは銃弾を受けて傷を追っている足が川の水によって激痛が走っているにも関わらず、懸命に止めていた。
王蟲の子どももナウシカが一生懸命止めてくれたおかげで川の水に浸かることなく、危険から回避できた。
まさにこれが、ナウシカと王蟲の子どもとの信頼関係ができた瞬間だったように思えた。
王蟲の触手の能力
ナウシカが助けてくれたことがわかった王蟲の子どもは、ナウシカが痛みを堪えていることがわかったようで、黄色い触手を出してきた。触手をナウシカの腕の傷のところ、足の傷のところに持っていき、治そうとしてくれていたのだった。
この場面で、王蟲の黄色い触手にはなにか特別な力が秘められているんだなということが感じ取れた。
王蟲の黄色い触手は傷を治癒することができる特殊な能力があるということが見て取れた。
ナウシカは民も大切にするし、動物に対しても、王蟲に対しても分け隔てすることなく大事に扱うことができるため、生き物たちもナウシカのことを信頼して良い関係性が築けているのだろう。
まとめ
『風の谷のナウシカ』でナウシカが死んでしまった理由と、生き返ることができたわけについて解説してきました。・土鬼(ドルク)が王蟲の子どもを虐待して「おとり」として利用して王蟲の大群をクシャナ軍がいる風の谷に向かわせた。
・王蟲の大群の前方にナウシカと王蟲の子どもを運び、下ろされたあと、王蟲の大軍によってナウシカは跳ね飛ばされて死んでしまった。
・死んでしまったナウシカの体の傷のところを、王蟲たちの黄色い触手が伸びてさわっていくと、不思議な力(傷を治癒する力)が備わっているため、ナウシカを生き返らせた。
上記のように見ていくと、王蟲の子どもを救ってくれて大事に扱ってくれたナウシカに対して、大人の王蟲たちは感謝の気持ちを込めて恩返しをしてくれたのではないかと考察する。
また、ナウシカと王蟲の関係性は、今を生きる私達にすごく大切なことを示唆してくれているように感じ取れた。
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映画版「風の谷のナウシカ」
漫画版「風の谷のナウシカ」
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