『パラサイト半地下の家族』は見る人にいろいろと考えさせる映画ですよね。
私も見終わった後に、なんだかな~っというなんとも不思議な感覚に陥りました。
映画の結末がなんとも怖くて・・・
あのシーンは夢で出てきたらうなされそうなものでしたけど、格差社会のことについて考えるいいきっかけの映画となりました。
ポン・ジュノ監督の映画は、映画を観終わった後にいろいろなことを考えさせられます。
今回はそんないろいろなことを考えさせられる映画『パラサイト半地下の家族』の妹ギジョンが殺された理由について解説していきます。
また、地下室の男の本当の狙いはダソンだったのではないかということについても述べていきます。
目次
パラサイト半地下の家族・妹ギジョンがなぜ刺された?
『パラサイト半地下の家族』のラストで地下室の男が刃物を持って、ダソンの誕生日パーティーをしている芝生に現われます。
そこで、地下室の男はキム家の妹のギジョンを刃物で刺してしまいます。
なぜ、ギジョンが標的となってしまったのでしょうか?
標的となった原因を考察していきます。
ギジョンはキム家で一番優秀だったからか
地下室から脱出した男が狙ったのは、パク家で唯一自分の存在を知られていたダソンではありませんでした。
てっきりダソンを狙うと思っていた私。
見事にはずれました。
実は、ギテクの娘ギジョンでした。
ギジョンはキム一家で唯一、自分の力で仕事を得た人ですよね。
自分の芸術の力や話術。他の家族は自分の力ではなく、ツテで仕事を得ましたもんね。ーー:
母親が職を得るために、ベテラン家政婦を蹴落とすような方法も考えだしちゃうくらいだし。すごいよね。頭が回るっていうかなんというか。
ベテラン家政婦が「桃アレルギー」ってことを見抜くんだもの。その観察力、欲しいわ。
そんな優秀なギジョンはパラサイト一家の中でも平穏に過ごしたい主義の女の子でもある。
それに、ギジョンが一番現実を見ていた人物でもありますよね。
それを証明するシーンはこちら。
兄ギウがパク家がキャンプに出ているときに、豪邸を我が物顔で自由に飲んだり食べたりしているときに、質問するシーンがありました。
兄ギウ「ここに住むならどこの部屋にする?」
というような質問をします。
妹キジョン「そうなったら考えるわ」
そうなんです。キジョンは夢物語なことは現実には起こらないとちゃんと理解しているんです。
だから、実際にそうなったら考えるわと答えているんです。
この時点で、キジョンはキム家の中で唯一現実を直視できている人なんだなと思いました。
このようにキム家で一番優秀だったから殺害の対象になってしまったのでしょうか。
でも、ちょっと腑に落ちませんね。
韓国の格差社会を象徴している
ギジョンが地下室の男に刺された。
なぜ?って疑問に思いますよね。
実は、この行動も「格差社会」を象徴しているのです。
上記の図のように階層に分けられているので、一つ飛ばして交流することはできない社会なのです。
上流階級の人が地下に一気に落ちることもないし、地下の人が半地下を飛ばして上流階級に上がることもできないのです。
だから、地下室の男は「半地下」階級の人間であるキム家の中で一番弱い立場の娘キジョンを狙ったのです。
地下室の男が階段を上って上に出てきて、部屋の中から呆然と外の芝生を見ている光景がありますが、その時はキジョンがどこにいるのかを探していたのではないでしょうか。
なんかね、キム家の中で唯一、地下室の夫婦に食べ物を分けようとしたキジュンが標的となって殺されてしまうのがいたたまれないです。
悲劇としかいいようがない。
韓国の社会の縮図を、地下室の男がキジョンを刺したということで見ているようです。
地下室の男の狙いはダソン?
地下室の男が本当に狙っていたのはダソンではないか。
本当はダソンを狙っていたけれど、「地下階級」が「半地下階級」を飛び越して「上流階級」にはいけない。
そんな韓国社会の階級問題が絡んでいる。
ダソンは地下室の男を見ていた
ダソンは、夜中に目を覚ました時に、キッチンで地下に続く階段から地下室の男が出てくることろを偶然に見てしまった。
すごーくびっくりしたことでしょう。
きっとそれはトラウマになっているのでしょうね。
トラウマになっているからこそ、ダソンは幽霊の絵(ダソンの母親はダソンの自画像画と言ったりしているが・・・)を描いてしまったんでしょうね。
もちろん、幽霊は地下室の男ね。
絵をよーく見ると、絵の右下には地下室の倉庫へと続く階段が描かれていますよ。
地下室の男にしてみれば、自分が地下にいることを知られてしまったということは恐怖ですよね。
だから、自分が地下に住んでいることを知られてしまったため、本当はダソンを口封じしたかったんじゃないかしら・・・と考えてしまいます。
また地下室の男にしてみれば、ダソンにSOSのメッセージを送っていたのに、なにもしてくれなったという不満もあったんじゃないでしょうか。
ルーモス信号は、階段の電気を着けたり消したりして送ってましたよね。最初はこの階段の電気、そろそろ寿命なんじゃないのって思って観てましたけど。
まとめ
『パラサイト半地下の家族』は本当によくできた映画だと思います。この映画を映画館で観ることができたのは本当によかったです。ラストが恐ろしすぎたけど・・・この点を除けば百点満点です!
『パラサイト半地下の家族』で妹ギジョンが殺された理由については、
・ギジョンはキム家で一番優秀だったから ←×はずれ
・地下室の男のいる階級は「地下階級」
その一つ上の階級である「半地下階級」の人間の中で一番弱い立場の妹を狙ったから ←○正解
・韓国社会は、階級社会。
階級が上がる場合は一つずつ、そして、下がる場合も一つずつ。
地下室の男は「地下階級」だから、「半地下階級」を飛び越して「上流階級」へと行くことはできない。
だから、地下室の男は自分の階級より一つ上の階級である「半地下階級」の人を狙ったのだ。
なんか、『パラサイト半地下の家族』で格差社会のことを考えるきっかけとなりました。
韓国だけの問題じゃなくて、日本でも格差社会、どんどん広がっていますよね。
格差についても文句を言うだけじゃなくて、格差社会の各自が乗り切れるように行動していきたいと強く思いました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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