第72回カンヌ国際映画祭で、韓国映画としては初となるパルムドールに輝いた作品「パラサイト半地下の家族」を観てきました。
最初はふぅ~ん、始まったなと言う感じでしたが、どんどんストーリーに引き込まれ、気づいたらラストになってました。
前半はゆったり、後半はストーリー展開がすごくて物語についていくのがやっとでした。
(ネタバレ記事も読んでなかったから余計にストーリー展開がはやくて ん?どういうことってといころが何箇所がありました。苦笑)
笑いもあるし、滑稽なところもある。
逆に戦慄が走るところもあり、怖くなって観続けられないんじゃないかと思うところもあり。
あなたはハンチカをご覧になりましたか?
もし、まだご覧になっていない場合には、ぜひ映画館で鑑賞されることをおすすめします。
(ネタバレ記事を読まずに映画鑑賞されるのがおすすめです!^^)
今回は、「パラサイト半地下の家族」のパラサイトぶりをネタバレしつつラストの結末の意外性についても紹介していきます。
パラサイト半地下の家族の結末のネタバレ
https://youtu.be/ZKL4Rg1VIm0パク一家の主であるIT企業のCEOドンイクは、ギテク(キム一家の主)に刺殺されてしまうんですよね。
(CEOがギテクに刺されるシーン、怖くってスクリーンを直視できなかった。こういう場面は超苦手なんです。)
詳しくは映画を観てほしいのでさらっとしか書きませんが、
地下室から出てきたグンセ(元家政婦ムングァンの旦那)は包丁を手にパーティー会場に乱入します。
(なぜグンセがパク一家の高台にある豪邸の地下室で暮らしているのかは映画を観てね。)
乱入したのはキム一家に復讐するためです。
グンセは誕生日ケーキを持ったギジョン(キム一家の妹)の胸を刺してしまいます。
その光景を見たダソン(パク一家の弟)は失神してしまいます。
ギジョンを助けようとしたギテク。
ドンイクから「ダソンを病院に連れて行く」と言われ、慌てて車のカギを探して渡そうとします。
(すごく焦っている感じが伝わってきて、こちらまでなぜか焦ってしまいました。)
チュンスク(ギテクの妻、現在の家政婦)はグンセとの揉みあった結果、バーベキューの串でグンセを刺し殺してしまいます。
(このシーンも怖かった。殺し合いのシーンは苦手なんです。)
グンセの臭いに思わず後ずさったドンイクの姿を見たギテクは、衝動的にドンイクを殺してしまいます。
富裕層のパーティー会場に、貧困層と超貧困層の二つの家族同士が互いを殺し合う構図なんですよね。
パーティーに参加していた富裕層の人たちは何が起こったのかパニックになっていましたね。
この映画、韓国の富裕層と貧困層、超貧困層の構図を描くのが本当に上手いなと感心しながら観ていました。
(包丁やバーベキューの串で刺すシーンが異常に怖かった!今でもそのシーンを思い出すと寒気がします。ぶるぶる。)
最後・ラストのオチが衝撃的だった
ギテクは以前に、ドンイクが「ギテクは地下鉄の臭いがする。切り干し大根のような臭いがして、臭いが一線を超えてくる」という発言をしていました。この発言を聞いてギテクは自分のことをバカにされたような、卑下されたように受け取ってしまっていました。
と同時に、自分たちがそんな「臭い」がしていることをそのときに知ります。
(富裕層にはない臭いが、貧困層や超貧困層には地下鉄のような湿った臭いがすることにショックを受けているように見受けられました。)
「臭い」が引き金になって、衝動的な行動をとってしまって人を殺害するというのがラストのオチなんて・・・
なんかやるせないなぁ。
でも、こんな「臭い」のところでも富裕層、貧困層、超貧困層を区別するなんて。
そんなところに着眼された監督や脚本家の方もある意味すごいよね!
(あっ、話がちょっと脱線しかかってますね。すみません。)
だから、ドンイクがグンセの臭いに対して、鼻に手をやった素振りを見て、ギテク自身がバカにされたように感じてしまい、感情が抑えきれなくなり、ドンイクを刺してしまうという衝動的な行為をしてしまったようです。
その後、ギテクはそのまま行方をくらましてしまうんです。
(どこに行くのかな?と思いながら観ていると、へっ?そこなの・・・って感じで少し驚きますよ。)
ギテクが逃亡した先も意外性がある「あの場所」だった
ギテクは行方不明となってしまいますよね。でも、実はギテクは逃げようとして一旦外には出たけれど、また引き返してパク一家の豪邸に戻ってきたんですよね。
パク一家の豪邸の地下の部屋(ドンイクが4年ほど暮らしていた地下室ね)に身を隠して生きていたんです。
ドンイクが地下室で生活をしていた状況と同じようにギテクも生活をしていました。
(貧困層同士、落ち着く場所は同じなのかもしれませんね。。。これもやるせないなぁ。)
また、ドンイクと同じようにギテクもモールス信号で、自分の存在を知らせたりしてましたね。
(あんな太陽の日差しも入ってこない地下の部屋でずっと一人ぼっちで暮らすというのがどんなものなのか、想像しただけでも恐ろしいです。
でも、韓国では実際に映画のように地下の部屋で暮らしている方もおられるんですよね。。。
貧富の差、富裕層と貧困層の格差が大きすぎる韓国社会ですね。)
自分が地下の部屋で一人で暮らすことを考えると、最初はのんびりできていいかも、なんてのんきなことを言えますが、実際にずっと暮らしていたら精神的に病んでしまうだろうなと想像します。
きっとギテクも精神的な面からもヘルプしてほしかったために、自分の存在をモールス信号という手立てを使っておこなっていたんだろうな。
「あの場所」にいるギテクからのメッセージを受け取ったギウ
ある日、ギウが高台からパク一家の豪邸を見下ろすと、家の電灯が不自然に点滅していました。
その点滅がモースル信号だと気づいたギウは、父からのメッセージだとわかりました。
そして、父ギテクが「あの場所」、そうですね。高合の豪邸の地下室ですね。
その地下室に潜んで暮らしていることをモールス信号で知るわけです。
モールス信号を解読して、父からのメッセージを受け取ったギウはあることを決心します。
その決心とは・・・
「いつか必ずこの豪邸を買い取ってギテクを助け出す」
というもの。
(ギウが決心したことが現実として叶いますように・・・
韓国社会で成功しようとするといい大学に入って、いい会社に入る必要があるために、
超学歴社会の風潮になっているんですよね。
いい会社に入れるかどうかで富裕層になるか、貧困層になるかがはっきりと分かれてしまう社会のようです。
日本と比べ物にならないくらいに韓国の学歴社会はすごいんです。
韓国生まれじゃなくてよかった・・・と思ってしまうほど。苦笑)
まとめ
今回の映画パラサイト半地下の家族を観て、映画自体はとても面白い構成となっていてハラハラ・ドキドキしつつ、惹き込まれました。
映画を観て次のようなことを考えるいい機会となりました。
・韓国は富裕層と貧困層の格差がとても大きいこと
この「格差」を高台の豪邸と、半地下の家、地下の部屋でうまく表現していましたね。
あー、こんな対比でうまく格差社会を表現しているんだと感心しました。
韓国の超学歴社会の問題についてもこの映画は問題を提起しているというか、風刺しているというか・・・
本当に問題提起をされているいい映画だと思いました。今度は別の角度から映画を観てみたい。
・貧困家族は富裕層家族にパラサイトしている
キム一家は全員が無職だったけれど、家庭教師から美術の先生、運転手、家政婦と一家それぞれが順番にパク一家に寄生していきましたよね。
この寄生する方法がなんとも素晴らしい。
そうきたか!という奇想天外な方法。どんどん映画に惹き込まれました。
・実は富裕層家族も貧困家族にパラサイトしていた
パラサイトというと寄生するということになるので、立場の弱い(低い)人が、立場の強い(高い)人に寄生するものだと思っていました。
でも、この「パラサイト半地下の家族」を観て、逆もあるなと思いました。
富裕層は、洗濯の作業や料理を作ることを自分ではしないで、貧困層の人に依頼をしてやってもらっていますよね。
これが富裕層が貧困層にパラサイトしていることだと思うのです。
もちろん、パラサイトの対価としてお金を支払うんですけどね。
なんか「パラサイト半地下の家族」を観て、富裕層に生まれたらずっと富裕層で、貧困層に生まれたらよっぽど努力していい大学を出ないことには貧困から抜け出せないんだな、ということを感じました。
だから、今の韓国は学歴社会なんですよね。それも、超がいくつもつくくらいの超超超学歴社会。
日本の場合は、以前は超学歴社会のときがありましたが、今は学歴うんぬんより「どのようにしたら稼ぐことができるのか」というところに移ってきてますよね。
お金を稼ぐ方法を知っている人が富裕層になれる社会。
余談ですが、私もお金を稼ぐ方法を学びつつ、富裕層になれるように日々コツコツと作業をしています。
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